遠距離爆撃機(キ-74)
戦争のはじめ頃、大本営は米本土爆撃を計画したが、その使用機がA-26長距離機を爆撃機に発達させたキ-74で、終戦時には13機が完成していた。
本機は朝日新聞社のA-26(キ-77)長距離記録機を基礎として設計したもので、高度10,000m以上の高度で、最大速度580㎞/h、爆弾搭載量1トン、後続距離8,000㎞という性能で、片道爆撃が可能であった。たとえ実現されても、1トン爆弾搭載を限度とする遠距離特攻機となったわけである。
しかし計画は途中で変更され約50機完成の場合は、サイパンのB-29基地を爆撃することになっていた。本機の一部は終戦後、A-26その他の日本製高性能機とともに、米空母に積まれて、アメリカに渡って調査された。
製作所 立川。
生産機数 13~15機。
【参考データ】
機 名 | 試作遠偵爆 | 自 重(kg) | 10200 |
記号 | キ-74 | 搭載量(kg) | 9200 |
発動機数 | 双発 | 全備重量(kg) | 19400 |
主翼型式 | 中単 | 最大速度(km/h)/高度m | 580/10500 |
乗員数 | 5 | 上昇時間m/分秒 | 10000/24′00″ |
発動機名 | ハ-211ル | 実用上昇限度(m) | 12000 |
発動機型式 | 空複星18 | 航続距離km(又は時間) | 8400~9920 |
離昇馬力 | 2200×2 | 機関銃または機関砲口径(mm)×数 (旋は旋回式)(他は固定式) |
12.7旋×1 |
第一速公称馬力/高度(m) | 2070/1000×2 | 爆弾(kg)×数 | 900 |
第二速公称馬力/高度(m) | 1750/10500×2 | 設計所または主な生産会社 | 立川 |
全 幅(m) | 27.00 | 採用年度 | 昭和19(1944) |
全 長(m) | 17.65 | 連合軍側コードネーム | Patsy |
主翼面積(㎡) | 80.00 | 備 考 | キ-77から発達、米本土片道爆撃を目標として設計 |
【略語解説】
高単 | 高翼単葉、主翼を胴体の上に配置 |
低単 | 低翼単葉、主翼を胴体の下に配置 |
中単 | 中翼単葉、主翼を胴体の中位置に配置 |
複葉 | 主翼を胴体の上下に二枚配置 |
一葉単 | 上翼にくらべて下翼が極端に小さいもの |
発動機型式 | |
空 | 空冷式 |
水 | 水冷式 |
液 | 液冷式 |
星 | 星型 |
複星 | 複列(または二重)星型 |
V | V列型 |
W | W列型 |
直 | 直列型 |
数字 | 気筒数 |
- 最終更新:2014-11-04 03:06:50