零式艦上戦闘機(A6M1-8)
太平洋戦争における日本の代表的な艦戦で、「Zero Fighter」または「Zeke(ジューク)」として世界中に知れわたっている。日華事変末期から終戦まで、最も長い間、最も多く使用された戦闘機で、その活動範囲も全戦域に及んでいる。
昭和15年8月、華中戦に初出動して無敵の性能を発揮し、16年12月の真珠湾攻撃に参加して一躍、世界的に有名になった。
特に、敏速な運動性と長距離性能および、火力の強大な点では、当時のいかなる戦闘機よりも優れ太平洋戦争半ば頃まで、全戦域で米英の一流戦闘機を相手に猛威をふるい、日本最高の傑作機といわれた。
最後には特攻機として活躍し、戦後その数機が、アメリカに渡り、現在でも米国では博物館などに保管されている。
ベストセラー図書「零戦」「坂井三郎空戦記録」(サムライ)などによって今日でも世界で最も人気がある戦闘機の一つになっている。日本で生産機数1万機を超える唯一の機種でもある。
【主なる交戦機】
P-36戦、P-38戦、P-39戦、P-40戦、P-47戦、P-51戦、F2A戦、F4F戦、F6F戦、F4U戦、イ-16戦、イ-17戦、ホーカー″ハリケーン″戦、スーパーマリン″スピットファイアー″戦、SBD艦爆、SB2C艦爆、TBF艦雷爆、B-17爆、B-24爆、B-25爆、B-26爆、B-29爆、エス・ベー爆、ヴィッカース″ウェリントン″爆、PBY艇、PB2Y艇、PBM艇。
製作所 三菱、中島。生産機数 10,049機。
【零式艦上戦闘機一一型と富士山】
【零式艦上戦闘機二一型】
昭和17(1942)年ニューギニア方面攻略作戦中。第五航空戦隊2番艦「瑞鶴」からの発艦。
【零式艦上戦闘機二二型】
1943(昭和18)年5月、ソロモン戦線に復帰した零式艦上戦闘機22型。
【零式艦上戦闘機三二型】
山口県の岩国基地エプロンに並ぶ岩国海軍航空隊の零戦。左手前の主翼端を角形に切った機が三二型。
【零式艦上戦闘機五二型】
昭和19(1944)年3月、愛知県の豊橋基地から長駆セレベス、ボルネオ島方面に進出するため、いっせいにエンジンを始動した第381海軍航空隊の零戦五二型群。
【A5M4:参考データ】
機 名 | 零式艦戦一一型 | 自 重(kg) | 1671 |
記号 | A5M4 | 搭載量(kg) | 718 |
発動機数 | 単発 | 全備重量(kg) | 2389 |
主翼型式 | 低単 | 最大速度(km/h)/高度m | 288/4550 |
乗員数 | 1 | 上昇時間m/分秒 | 6000/7′27″ |
発動機名 | 栄12 | 実用上昇限度(m) | - |
発動機型式 | 空複星14 | 航続距離km(又は時間) | 1891(過) |
離昇馬力 | 940 | 機関銃または機関砲口径(mm)×数 (旋は旋回式)(他は固定式) |
7.7×2 20×2 |
第一速公称馬力/高度(m) | 950/4200 | 爆弾(kg)×数 | 30~60×2 |
第二速公称馬力/高度(m) | - | 設計所または主な生産会社 | 三菱 |
全 幅(m) | 12.00 | 採用年度 | 昭和15(1940) |
全 長(m) | 9.06 | 連合軍側コードネーム | Zeke |
主翼面積(㎡) | 22.44 | 備 考 | 陸上基地用原型十二試艦戦 |
【A6M2:参考データ】
機 名 | 零式艦戦二一型 | 自 重(kg) | 1680 |
記号 | A6M2 | 搭載量(kg) | 730 |
発動機数 | 単発 | 全備重量(kg) | 2410 |
主翼型式 | 低単 | 最大速度(km/h)/高度m | 288/4550 |
乗員数 | 1 | 上昇時間m/分秒 | 6000/7′27″ |
発動機名 | 栄12 | 実用上昇限度(m) | 10000 |
発動機型式 | 空複星14 | 航続距離km(又は時間) | 1200 |
離昇馬力 | 940 | 機関銃または機関砲口径(mm)×数 (旋は旋回式)(他は固定式) |
7.7×2 20×2 |
第一速公称馬力/高度(m) | 950/4200 | 爆弾(kg)×数 | 30~60×2 |
第二速公称馬力/高度(m) | - | 設計所または主な生産会社 | 三菱 |
全 幅(m) | 12.00 | 採用年度 | 昭和15(1940) |
全 長(m) | 9.06 | 連合軍側コードネーム | Zeke |
主翼面積(㎡) | 22.44 | 備 考 | 同上、翼端折畳式、艦上機となる |
【A6M3:参考データ】
機 名 | 零式艦戦三二型 | 自 重(kg) | 1807 |
記号 | A6M3 | 搭載量(kg) | 837 |
発動機数 | 単発 | 全備重量(kg) | 2644 |
主翼型式 | 低単 | 最大速度(km/h)/高度m | 294/6000 |
乗員数 | 1 | 上昇時間m/分秒 | 6000/7′19″ |
発動機名 | 栄21 | 実用上昇限度(m) | 11050 |
発動機型式 | 空複星14 | 航続距離km(又は時間) | 1284(過) |
離昇馬力 | 1130 | 機関銃または機関砲口径(mm)×数 (旋は旋回式)(他は固定式) |
7.7×2 20×2 |
第一速公称馬力/高度(m) | 1100/2850 | 爆弾(kg)×数 | 30~60×2 |
第二速公称馬力/高度(m) | 980/6000 | 設計所または主な生産会社 | 三菱 |
全 幅(m) | 11.00 | 採用年度 | 昭和16(1941) |
全 長(m) | 9.06 | 連合軍側コードネーム | Hump |
主翼面積(㎡) | 21.53 | 備 考 | 翼端切断型 |
【A6M3:参考データ】
機 名 | 零式艦戦二二型 | 自 重(kg) | 1863 |
記号 | A6M3 | 搭載量(kg) | 816 |
発動機数 | 単発 | 全備重量(kg) | 2679 |
主翼型式 | 低単 | 最大速度(km/h)/高度m | 292/6000 |
乗員数 | 1 | 上昇時間m/分秒 | - |
発動機名 | 栄21 | 実用上昇限度(m) | - |
発動機型式 | 空複星14 | 航続距離km(又は時間) | - |
離昇馬力 | 1130 | 機関銃または機関砲口径(mm)×数 (旋は旋回式)(他は固定式) |
7.7×2 20×2 |
第一速公称馬力/高度(m) | 1100/2850 | 爆弾(kg)×数 | 30~60×2 |
第二速公称馬力/高度(m) | 980/6000 | 設計所または主な生産会社 | 三菱 |
全 幅(m) | 12.00 | 採用年度 | 昭和17(1942) |
全 長(m) | 9.06 | 連合軍側コードネーム | Zeke |
主翼面積(㎡) | 22.44 | 備 考 | 同上、主翼延長 |
【A6M5:参考データ】
機 名 | 零式艦戦五二型 | 自 重(kg) | 1876 |
記号 | A6M5 | 搭載量(kg) | 857 |
発動機数 | 単発 | 全備重量(kg) | 2733 |
主翼型式 | 低単 | 最大速度(km/h)/高度m | 305/6000 |
乗員数 | 1 | 上昇時間m/分秒 | 6000/7′01″ |
発動機名 | 栄21 | 実用上昇限度(m) | 11740 |
発動機型式 | 空複星14 | 航続距離km(又は時間) | 1037 |
離昇馬力 | 1130 | 機関銃または機関砲口径(mm)×数 (旋は旋回式)(他は固定式) |
7.7×2 20×2 |
第一速公称馬力/高度(m) | 1100/2850 | 爆弾(kg)×数 | 30~60×2 |
第二速公称馬力/高度(m) | 980/6000 | 設計所または主な生産会社 | 三菱 |
全 幅(m) | 11.00 | 採用年度 | 昭和18(1943) |
全 長(m) | 9.121 | 連合軍側コードネーム | Zeke |
主翼面積(㎡) | 21.30 | 備 考 | 長型後期量産型、各種改造型あり |
【略語解説】
高単 | 高翼単葉、主翼を胴体の上に配置 |
低単 | 低翼単葉、主翼を胴体の下に配置 |
中単 | 中翼単葉、主翼を胴体の中位置に配置 |
複葉 | 主翼を胴体の上下に二枚配置 |
一葉単 | 上翼にくらべて下翼が極端に小さいもの |
発動機型式 | |
空 | 空冷式 |
水 | 水冷式 |
液 | 液冷式 |
星 | 星型 |
複星 | 複列(または二重)星型 |
V | V列型 |
W | W列型 |
直 | 直列型 |
数字 | 気筒数 |
- 最終更新:2014-11-05 21:26:21