陸上偵察機「彩雲」(C6N1)
太平洋戦争の後半に、傑出した高性能を発揮してサイパン、ウルシー、メジュロなどの高々度偵察を敢行し、特に敵戦闘機の追随を許さぬ高速をもって、縦横に活躍し、陸軍の一〇〇司偵に次いで有名になった。
艦偵として設計されたものであるが、後には主として陸上を基地として活躍した。これも"誉"発動機を装備していたため、実動率は悪く、最後には夜戦用や攻撃用にすることも研究された。
しかし、その基地設計は非常に優れており、複座艦偵としては、世界最高の性能をもっていた。
製作所 中島、日本飛行機。
生産機数 398機。
【艦上偵察機「彩雲」一一型(試作機)】
【C6N1:参考データ】
機 名 | 艦偵「彩雲」 | 自 重(kg) | 2908 |
記号 | C6N1 | 搭載量(kg) | 1592 |
発動機数 | 単発 | 全備重量(kg) | 4500 |
主翼型式 | 低単 | 最大速度(km/h)/高度m | 329/6100 |
乗員数 | 2 | 上昇時間m/分秒 | 6000/8′09″ |
発動機名 | 誉21 | 実用上昇限度(m) | 10740 |
発動機型式 | 空複星18 | 航続距離km(又は時間) | 2027 |
離昇馬力 | 1990 | 機関銃または機関砲口径(mm)×数 (旋は旋回式)(他は固定式) |
7.9旋×1 |
第一速公称馬力/高度(m) | 1850/1750 | 爆弾(kg)×数 | - |
第二速公称馬力/高度(m) | 1625/6100 | 設計所または主な生産会社 | 中島 |
全 幅(m) | 12.50 | 採用年度 | 昭和19(1944) |
全 長(m) | 11.00 | 連合軍側コードネーム | Myrt |
主翼面積(㎡) | 25.50 | 備 考 | 原型十七試艦偵 |
【略語解説】
高単 | 高翼単葉、主翼を胴体の上に配置 |
低単 | 低翼単葉、主翼を胴体の下に配置 |
中単 | 中翼単葉、主翼を胴体の中位置に配置 |
複葉 | 主翼を胴体の上下に二枚配置 |
一葉単 | 上翼にくらべて下翼が極端に小さいもの |
発動機型式 | |
空 | 空冷式 |
水 | 水冷式 |
液 | 液冷式 |
星 | 星型 |
複星 | 複列(または二重)星型 |
V | V列型 |
W | W列型 |
直 | 直列型 |
数字 | 気筒数 |
【資料出典】
・1962(昭和37)年 潮書房 「日本軍用機写真集」
- 最終更新:2014-11-04 06:05:43