艦上戦闘機「烈風」(A7M1~2)
零戦に代わる新鋭高性能艦戦として、グランマンF6F″ヘルキャット″艦戦、ヴォートF4U″コルセア″艦戦などを圧倒すべき期待のうちに完成したが、時すでに遅く、発動機の質的低下とテストの遅延のため、終戦までに8機が完成したのみで終った。
しかもその大部分が、三沢飛行場で爆撃にあって、ほとんど全滅という最後を遂げ今日では一枚の写真も残っていないといわれる。
零戦が長い間好調子に乗って量産が続けられ、後継の新型艦戦である本機の完成が遅れたことは遺憾であった。
しかし戦争末期には本機を載せて活動できるような航空母艦もすでに無く、たとえ「烈風」級が量産期に入っていたとしても戦局には大した影響はなかったであろうとする見方が強い。
製作所 三菱。生産機数 8機。
【「烈風」試作第4号機】
疎開先の青森県三沢基地で敗戦を迎え、米軍の命令によりプロペラをはずして″武装解除″されたもの。下の写真も同じ。
【A7M1:参考データ】
機 名 | 艦戦「烈風」 | 自 重(kg) | 3110 |
記号 | A7M1 | 搭載量(kg) | 1300 |
発動機数 | 単発 | 全備重量(kg) | 4410 |
主翼型式 | 低単 | 最大速度(km/h)/高度m | 310/6190 |
乗員数 | 1 | 上昇時間m/分秒 | 6000/9′54″ |
発動機名 | 誉22 | 実用上昇限度(m) | - |
発動機型式 | 空複星18 | 航続距離km(又は時間) | - |
離昇馬力 | 1900 | 機関銃または機関砲口径(mm)×数 (旋は旋回式)(他は固定式) |
20×2 13×2 |
第一速公称馬力/高度(m) | 1570/6850 | 爆弾(kg)×数 | 30~60×2 |
第二速公称馬力/高度(m) | - | 設計所または主な生産会社 | 三菱 |
全 幅(m) | 14.00 | 採用年度 | 昭和19(1944)試 |
全 長(m) | 10995 | 連合軍側コードネーム | Sam |
主翼面積(㎡) | 30.80 | 備 考 | 零戦の後継艦戦として試作 |
【A7M2:参考データ】
機 名 | 艦戦「烈風」 | 自 重(kg) | 3266 |
記号 | A7M2 | 搭載量(kg) | 1454 |
発動機数 | 単発 | 全備重量(kg) | 4720 |
主翼型式 | 低単 | 最大速度(km/h)/高度m | 339/5660 |
乗員数 | 1 | 上昇時間m/分秒 | 6000/6′07″ |
発動機名 | MK9A | 実用上昇限度(m) | 10900 |
発動機型式 | 空複星18 | 航続距離km(又は時間) | 1250 |
離昇馬力 | 2200 | 機関銃または機関砲口径(mm)×数 (旋は旋回式)(他は固定式) |
20×2 13~20×2 |
第一速公称馬力/高度(m) | 2070/1000 | 爆弾(kg)×数 | 30~60×2 |
第二速公称馬力/高度(m) | 1930/5000 | 設計所または主な生産会社 | 三菱 |
全 幅(m) | 14.00 | 採用年度 | 昭和19(1944)試 |
全 長(m) | 10.985 | 連合軍側コードネーム | Sam |
主翼面積(㎡) | 30.86 | 備 考 | 増加試作、最後の艦戦 |
【略語解説】
高単 | 高翼単葉、主翼を胴体の上に配置 |
低単 | 低翼単葉、主翼を胴体の下に配置 |
中単 | 中翼単葉、主翼を胴体の中位置に配置 |
複葉 | 主翼を胴体の上下に二枚配置 |
一葉単 | 上翼にくらべて下翼が極端に小さいもの |
発動機型式 | |
空 | 空冷式 |
水 | 水冷式 |
液 | 液冷式 |
星 | 星型 |
複星 | 複列(または二重)星型 |
V | V列型 |
W | W列型 |
直 | 直列型 |
数字 | 気筒数 |
- 最終更新:2014-11-04 04:41:41