二式高等練習機(キ-79)

戦闘機搭乗員の訓練を円滑に進めるため、昭和15年11月に当時の主力戦闘機九七式戦をグレードダウンした練習機の開発が決定され、満州飛行機の改造設計により、昭和17年に制式採用されたのが二式高等練習機(キ79)である。

九七式戦との主な相違点は、エンジンを日立九八式450hpに換装し、プロペラ、燃料タンク、操縦室周囲などに変更を加え、主脚カバー下部を撤去したこと。

九七式戦の性格をそのまま引き継ぎ、操縦、安定性は良好で、まずは申し分のない練習機だった。

そして敗戦まで生産が続けられ、合計3,710機という陸軍機史上、一式戦の5,751機に次ぐ第二位の記録をつくった。

単座の甲型(キ79甲)と複座の乙型(キ79乙)がある。


【第二十六教育飛行隊の二式高練(キ-79甲型)】
二式高練(キ79).jpg


【参考データ:九七式戦
※二式高等練習機はエンジンを日立九八式450hpに換装し、プロペラ、燃料タンク、操縦室周囲などに変更を加え、主脚カバー下部を撤去。
機  名 九七式戦 自 重(kg) 1110
記号 キ-27 搭載量(kg) 680
発動機数 単発 全備重量(kg) 1790
主翼型式 低単 最大速度(km/h)/高度m 470/3500
乗員数 1 上昇時間m/分秒 5000/5'20"
発動機名 ハ-1乙 実用上昇限度(m) 12500
発動機型式 空星9 航続距離km(又は時間) 627
離昇馬力 210 機関銃または機関砲口径(mm)×数
(旋は旋回式)(他は固定式)
7.7×2
第一速公称馬力/高度(m) 780/2900 爆弾(kg)×数 25×4
第二速公称馬力/高度(m) 設計所または主な生産会社 中島
全 幅(m) 11.31 採用年度 昭12
全 長(m) 7.53 連合軍側コードネーム Nate
主翼面積(㎡) 18.56 備  考 陸軍最初の制式低翼単葉戦闘機

【略語解説】
高単 高翼単葉、主翼を胴体の上に配置
低単 低翼単葉、主翼を胴体の下に配置
中単 中翼単葉、主翼を胴体の中位置に配置
複葉 主翼を胴体の上下に二枚配置
一葉単 上翼にくらべて下翼が極端に小さいもの
発動機型式
空冷式
水冷式
液冷式
星型
複星 複列(または二重)星型
V V列型
W W列型
直列型
数字 気筒数


【出典】
・1995(平成7)年 光人社 川島裕 「日本軍用機写真総集」







  • 最終更新:2015-08-17 06:08:30

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