二式大型飛行艇(H8K1~2)
九七式大艇に代わる日本における大型飛行艇の決定版で、太平洋戦争の全期間にわたり長距離偵察、哨戒および爆撃にすばらしい活躍をした。
なかでも、昭和17年3月の真珠湾爆撃は有名であり、また電探による敵艦隊の発見などに、飛行艇として最大級の性能を発揮した。
当時の世界第一級のレベルにあった英のショート"サンダーランド"および、米のコンソリデーテッドPB2Yよりも遥かに優れた性能をもち、戦後米海軍において徹底的な調査が行われて注目され、現在でも航空博物館の倉庫に収められているといわれる。
本艇を輸送艇に改造したものを「晴空」と称し、乗客62名を収容した。
製作所 川西。
生産機数 131機。
【二式大型飛行艇一一型】
【H8K1:参考データ】
機 名 | 二式大艇 一一型 |
自 重(kg) | 15500 |
記号 | H8K1 | 搭載量(kg) | 9000 |
発動機数 | 四発 | 全備重量(kg) | 24500 |
主翼型式 | 高単 | 最大速度(km/h)/高度m | 234/5000 |
乗員数 | 10 | 上昇時間m/分秒 | 5000/11′53″ |
発動機名 | 火星12 | 実用上昇限度(m) | 7630 |
発動機型式 | 空複星14 | 航続距離km(又は時間) | 3888(過) |
離昇馬力 | 1530×4 | 機関銃または機関砲口径(mm)×数 (旋は旋回式)(他は固定式) |
7.7旋×3 20旋×5 |
第一速公称馬力/高度(m) | 1480/2200×4 | 爆弾(kg)×数 | 250×8 又は 800×2 |
第二速公称馬力/高度(m) | 1380/4100×4 | 設計所または主な生産会社 | 川西 |
全 幅(m) | 38.00 | 採用年度 | 昭和16(1941) |
全 長(m) | 28.13 | 連合軍側コードネーム | Emily |
主翼面積(㎡) | 160.00 | 備 考 | 四発大型高性能飛行艇、原型十三試大艇 |
【H8K2:参考データ】
機 名 | 二式大艇 一二型 |
自 重(kg) | 16700 |
記号 | H8K2 | 搭載量(kg) | 7800 |
発動機数 | 四発 | 全備重量(kg) | 24500 |
主翼型式 | 高単 | 最大速度(km/h)/高度m | 246/4700 |
乗員数 | 10 | 上昇時間m/分秒 | 4000/7′55″ |
発動機名 | 火星22 | 実用上昇限度(m) | 8760 |
発動機型式 | 空複星14 | 航続距離km(又は時間) | (24.0) |
離昇馬力 | 1850×4 | 機関銃または機関砲口径(mm)×数 (旋は旋回式)(他は固定式) |
7.7旋×4 20旋×5 |
第一速公称馬力/高度(m) | 1680/2100×4 | 爆弾(kg)×数 | 250×8 又は 800×2 |
第二速公称馬力/高度(m) | 1540/5500×4 | 設計所または主な生産会社 | 川西 |
全 幅(m) | 37.98 | 採用年度 | - |
全 長(m) | 28.12 | 連合軍側コードネーム | Emily |
主翼面積(㎡) | 160.00 | 備 考 | 同上性能向上型 |
【略語解説】
高単 | 高翼単葉、主翼を胴体の上に配置 |
低単 | 低翼単葉、主翼を胴体の下に配置 |
中単 | 中翼単葉、主翼を胴体の中位置に配置 |
複葉 | 主翼を胴体の上下に二枚配置 |
一葉単 | 上翼にくらべて下翼が極端に小さいもの |
発動機型式 | |
空 | 空冷式 |
水 | 水冷式 |
液 | 液冷式 |
星 | 星型 |
複星 | 複列(または二重)星型 |
V | V列型 |
W | W列型 |
直 | 直列型 |
数字 | 気筒数 |
- 最終更新:2014-11-05 00:01:25