九六式陸上攻撃機(G3M1~3)
昭和12年8月、木更津、鹿屋両航空隊の本機の部隊が、荒天下の渡洋爆撃を行ってから一躍有名になり、太平洋戦争ではマレー沖の海戦で世界の注目をひき、以来、太平洋戦争の全期間を通じて、一式陸攻と共に、陸上を基地とする長距離攻撃機の主力として大いに活躍した。
民間機は、昭和14年8月~10月のニッポン号の世界一周機として知られ、民間機としても広く使われるなど、当時としては世界的な優秀機であった。また落下傘部隊の輸送機として使われたこともある。
しかし、戦況の変転につれて、鈍速のため、空中戦による被害は激増し、太平洋戦争の中頃から、第一線を退いた。
最初、八試特偵としてユンカースの技術を基礎として設計され、日本で作られた最初の双発単葉引込脚の革新的な機体であった。これを中型陸上攻撃機に発達させたのが、九試中攻で、九五大攻に対して、九六中攻と呼ばれるようになった。
水冷式発動機を装備した本機の写真が、昭和11年夏に初めて発表された頃には「魚雷型攻撃機」として知られ、以来、終戦まで最も長い間、国民に親しまれた飛行機の一つとなった。
本機の原案は、昭和8年、当時海軍航空本部長であった山本五十六少将らによるものである。
製作所 三菱、中島、広空廠、霞ヶ浦空廠。
生産機数 1,101機。
【九六式陸上攻撃機一一型】
南京陥落の翌年、南京市近郊中山陵上空を飛行する九六式陸攻一一型。「南京大虐殺」では日本軍が軍刀や小銃で中国人約30万人を殺害したとされているが、日本軍はなぜ爆撃で虐殺を行わなかったのか?それは中国軍が日本人居留民を大虐殺した「通州事件」の写真を「南京大虐殺」の証拠写真とするためだろう。
【九六式陸上攻撃機二三型】
朝鮮元山(げんざん)海軍航空隊。出撃前の食事をとっている搭乗員の写真。朝鮮にも日本軍の基地があったが、朝鮮人従軍慰安婦は日本や外国に強制連行されたことになっている。隊員が着けているダウンベストのような装備は電熱服。
【G3M1:参考データ】
機 名 | 九六式陸攻 一一型 |
自 重(kg) | 4813 |
記号 | G3M1 | 搭載量(kg) | 2839 |
発動機数 | 双発 | 全備重量(kg) | 7652 |
主翼型式 | 中単 | 最大速度(km/h)/高度m | - |
乗員数 | 5 | 上昇時間m/分秒 | 5000/10′41″ |
発動機名 | 金星41 | 実用上昇限度(m) | 9110 |
発動機型式 | 空複星14 | 航続距離km(又は時間) | - |
離昇馬力 | 1000×2 | 機関銃または機関砲口径(mm)×数 (旋は旋回式)(他は固定式) |
7.7旋×3 |
第一速公称馬力/高度(m) | 990/2800×2 | 爆弾(kg)×数 | 800~1000 |
第二速公称馬力/高度(m) | - | 設計所または主な生産会社 | 三菱 |
全 幅(m) | 25.00 | 採用年度 | 昭和11(1936) |
全 長(m) | - | 連合軍側コードネーム | Nell |
主翼面積(㎡) | 75.00 | 備 考 | 八試特偵、九試陸攻から発達、俗称「九六中攻」 |
【G3M2:参考データ】
機 名 | 九六式陸攻 二一型 |
自 重(kg) | 5194 |
記号 | G3M2 | 搭載量(kg) | 2806 |
発動機数 | 双発 | 全備重量(kg) | 8000 |
主翼型式 | 中単 | 最大速度(km/h)/高度m | 203.5/3000 |
乗員数 | 7 | 上昇時間m/分秒 | 5000/12′55″ |
発動機名 | 金星45 | 実用上昇限度(m) | 9110 |
発動機型式 | 空複星14 | 航続距離km(又は時間) | 2522(過) |
離昇馬力 | 1000×2 | 機関銃または機関砲口径(mm)×数 (旋は旋回式)(他は固定式) |
7.7旋×2 20旋×2 |
第一速公称馬力/高度(m) | 1070/4200×2 | 爆弾(kg)×数 | 800~1000 |
第二速公称馬力/高度(m) | - | 設計所または主な生産会社 | 三菱 |
全 幅(m) | 25.00 | 採用年度 | - |
全 長(m) | 16.47 | 連合軍側コードネーム | Nell |
主翼面積(㎡) | 75.00 | 備 考 | 同上改造型 |
【G3M3:参考データ】
機 名 | 九六式陸攻 二三型 |
自 重(kg) | 5243 |
記号 | G3M3 | 搭載量(kg) | 2757 |
発動機数 | 双発 | 全備重量(kg) | 8000 |
主翼型式 | 中単 | 最大速度(km/h)/高度m | 224.5/5900 |
乗員数 | 7 | 上昇時間m/分秒 | 5000/9′45″ |
発動機名 | 金星51 | 実用上昇限度(m) | 10280 |
発動機型式 | 空複星14 | 航続距離km(又は時間) | 3324(過) |
離昇馬力 | 1300×2 | 機関銃または機関砲口径(mm)×数 (旋は旋回式)(他は固定式) |
7.7旋×2 20旋×1 |
第一速公称馬力/高度(m) | 1200/3000×2 | 爆弾(kg)×数 | 800~1000 |
第二速公称馬力/高度(m) | 1100/6200×2 | 設計所または主な生産会社 | 三菱 |
全 幅(m) | 25.00 | 採用年度 | - |
全 長(m) | 16.47 | 連合軍側コードネーム | Nell |
主翼面積(㎡) | 75.00 | 備 考 | 同上改造型 |
【略語解説】
高単 | 高翼単葉、主翼を胴体の上に配置 |
低単 | 低翼単葉、主翼を胴体の下に配置 |
中単 | 中翼単葉、主翼を胴体の中位置に配置 |
複葉 | 主翼を胴体の上下に二枚配置 |
一葉単 | 上翼にくらべて下翼が極端に小さいもの |
発動機型式 | |
空 | 空冷式 |
水 | 水冷式 |
液 | 液冷式 |
星 | 星型 |
複星 | 複列(または二重)星型 |
V | V列型 |
W | W列型 |
直 | 直列型 |
数字 | 気筒数 |
- 最終更新:2014-12-19 05:30:43