九三式陸上中間練習機(K5Y1)、九三式水上中間練習機(K5Y3)
陸軍の九五式一型同様に、海軍で最も多く使用された複葉の練習機で、日華事変から太平洋戦争の全期間にかけて、練習航空隊の主力であり、最後には特攻機として使用されたものもある。
練習機を示す橙黄色(オレンジ)塗装は、国民の間にも広く知られ「赤トンボ」の愛称で呼ばれていたことは有名。凄惨な戦いとは無縁の機体だが、戦争末期には神風特攻機として使われた、悲劇の記録も残っている。
練習機として生産高は陸海軍を通じて最も多く、製作所も全国的に散在していた。
製作所 渡辺(九州)、川西、三菱、中島、富士、日立、日本飛行機。
生産機数 4,700機以上。
【九三式陸上中間練習機(K5Y1)】
関東平野上空で編隊飛行中。
【九三式水上中間練習機(K5Y3)】
K5Y1の車輪の代わりにフロート2本を付けた型。K5Y1との相違点は、主翼上反角が減少し、垂直安定板が増積され、着水の衝撃に耐えるよう、フロート取付支柱部分の胴体骨組が強化されていることである。
【K5Y1:参考データ】
機 名 | 九三式陸中練 | 自 重(kg) | 1000 |
記号 | K5Y1 | 搭載量(kg) | 500 |
発動機数 | 単発 | 全備重量(kg) | 1500 |
主翼型式 | 複葉 | 最大速度(km/h)/高度m | 115.3/1000 |
乗員数 | 2 | 上昇時間m/分秒 | 3000/13′32″ |
発動機名 | 天風11 | 実用上昇限度(m) | 5700 |
発動機型式 | 空星9 | 航続距離km(又は時間) | 550 |
離昇馬力 | 340 | 機関銃または機関砲口径(mm)×数 (旋は旋回式)(他は固定式) |
7.7×1 7.7旋×1 |
第一速公称馬力/高度(m) | 300/S.L. | 爆弾(kg)×数 | 30×2 |
第二速公称馬力/高度(m) | - | 設計所または主な生産会社 | 空廠、日飛 |
全 幅(m) | 11.00 | 採用年度 | 昭和9(1934) |
全 長(m) | 8.05 | 連合軍側コードネーム | Willow |
主翼面積(㎡) | 27.70 | 備 考 | 九一式中練を改造、実用化 |
【K5Y3:参考データ】
機 名 | 九三式水中練 | 自 重(kg) | 1150 |
記号 | K5Y3 | 搭載量(kg) | 500 |
発動機数 | 単発 | 全備重量(kg) | 1650 |
主翼型式 | 複葉(双舟) | 最大速度(km/h)/高度m | 107/S.L. |
乗員数 | 2 | 上昇時間m/分秒 | 3000/19′35″ |
発動機名 | 天風11 | 実用上昇限度(m) | 4330 |
発動機型式 | 空星9 | 航続距離km(又は時間) | 485 |
離昇馬力 | 340 | 機関銃または機関砲口径(mm)×数 (旋は旋回式)(他は固定式) |
(7.7旋×1) |
第一速公称馬力/高度(m) | 300/S.L. | 爆弾(kg)×数 | 30×2 |
第二速公称馬力/高度(m) | - | 設計所または主な生産会社 | 空廠、日飛 |
全 幅(m) | 11.00 | 採用年度 | 昭和9(1934) |
全 長(m) | 8.78 | 連合軍側コードネーム | Willow |
主翼面積(㎡) | 27.00 | 備 考 | 同上水上機型 |
【略語解説】
高単 | 高翼単葉、主翼を胴体の上に配置 |
低単 | 低翼単葉、主翼を胴体の下に配置 |
中単 | 中翼単葉、主翼を胴体の中位置に配置 |
複葉 | 主翼を胴体の上下に二枚配置 |
一葉単 | 上翼にくらべて下翼が極端に小さいもの |
発動機型式 | |
空 | 空冷式 |
水 | 水冷式 |
液 | 液冷式 |
星 | 星型 |
複星 | 複列(または二重)星型 |
V | V列型 |
W | W列型 |
直 | 直列型 |
数字 | 気筒数 |
- 最終更新:2014-11-04 18:47:18