【第三草薙隊】永尾 博
永尾 博
西南学院大学
神風特別攻撃隊第三草薙隊、昭和二十年四月二十八日南西諸島にて戦死、二十二歳
靖國の社頭で
一、生を享け二十二年の長い間、小生を育くまれた父母上に御礼申上げます。
一、親不幸 (*1)の数々お許し下さい。
一、小生の身体は父母のものであり、父母のものでなく、天皇陛下に捧げたものであります。小生入隊後は無きものと御覚悟下さい。
一、小生も良き父上、良き母上、良き妹二人を持ち心おきなく大空の決戦場に臨むことが出来ます。
一、父上も好子、壽子を小生と心得御育み下さい。
一、母上、父上の事末永く呉々(くれぐれ)も御願ひ申上ます (*2)。
一、父、母上の、また妹の御健康をお祈り致します。
父さん 大事な父さん
母さん 大事な母さん
永い間、色々とお世話になりました。
好子、壽子をよろしくお願ひ致します。
靖國の社頭でお目にかヽりませう。
では参ります。お身体お大事に。
【出典】1953(昭和28)年 白鷗遺族会編 「雲ながるる果てに-戦没飛行予備学生の手記-」
- 最終更新:2015-12-01 09:31:25