【第三御盾隊第六〇一部隊】古橋達夫

古橋達夫

日本大学
神風特別攻撃隊第三御盾隊第六〇一部隊、昭和二十年四月三日南西諸島にて戦死、二十歳


姉への便り

 度々のお葉書、お手紙嬉しく拝見致しました。雅夫(註:弟。戦死)から色々お報せしてゐると思ひますが、自分はどうも筆不精どうかお許し下さい。

 今日、お父さんお母さんが面会に来られ、相憎(あいにく)一日中雨でしたが楽しく過しました。

 章子ちゃんが風邪とのこと、その後如何(いかが)ですか。お父さんの話では良くなりつヽあるといふ事ですが、どうか充分気をつけて全快されんことを祈ります。

 色々細(こまか)いものをお母さんから貰ひましたが、人手の少いところ本当に有難う。小姉さんもお勤めだし、留雄も学校で昼の間は大変ですね。

 町には物資はいろいろ減った様子、それに引かへ我々は幸福ものです。是非とも頑張って立派な軍人にならねばならないと思って居(お)ります。

 ではくれぐれも御自愛されんことを。         草々



【出典】1953(昭和28)年 白鷗遺族会編 「雲ながるる果てに-戦没飛行予備学生の手記-」



  • 最終更新:2015-11-30 07:01:26

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