【第一神剣隊】遠藤益司
遠藤益司
日本大学
神風特別攻撃隊第一神剣隊員として昭和二十年四月六日大村空より出撃、沖縄方面で戦死 二十三歳
夢こそ頼み
遺書 三月三十一日
父上様、母上様時間ナキタメ最後ノ便リヲコレニテ致シマス
特攻隊ノ一員トシテ出撃ニ際シコレヲ御送リ致シマス
二十数年ノ御慈愛ヲ深ク御禮(礼)申上マス
母上様
とても世に逢(あ)ひ見むことの難(かた)ければ
夢こそ今は頼みなりけれ (*1)
春されば祖国のさくらに魁(さきが)けて
咲いて笑って散る吾(わが)身かな
一、金銭貸借関係ナシ
一、深キ女性関係ナシ
一、国分在隊中ノ下宿ヘ通知禮状願ヒ度(た)シ
国分ノ私ノ教ヘタ練習生モ一人前トナリ、思ヒ残スコトナシ、彼等(かれら)モ私ノ後ニ続キ命中スルコトデセウ
弟禎介ヨ、兄ハ今大ナル喜ビデ一杯ダ
【出典】1953(昭和28)年 白鷗遺族会編 「雲ながるる果てに-戦没飛行予備学生の手記-」
- 最終更新:2015-11-30 06:51:12