【第一特別振武隊】上津一紀
上津一紀
昭和十四年支那派遣軍軍属となる。十七年東京陸軍航空学校卒、十九年熊谷陸軍飛行学校卒(少飛 (*1)十三期)、二十年四月六日、第一特別振武隊として出撃散華
遺 書
天皇陛下万歳
大君の為何か惜(おし)まん若桜
散ってかひある命なりせば
御両親様
私の幼少よりの念願今果し南の空に笑って征きます 何時何時(いついつ)迄も御壮健にて
朝枝、和枝、三女子、定臣、マリ子、光男、
匡子様
弟妹よ 兄としてなんらなすところなく散ってゆく兄を怨むなかれ 喜こんでやって下さい 兄の分も父上、母上に孝行し給へ 兄は安心して大君の御楯(みたて)と散りゆきます 御健康を祈る
祖母様御体を大切に
上津一紀
二十二歳(拇印)
【出典】1977(昭和52)年 原書房 寺井俊一編 「航空基地都城疾風特攻振武隊」
- 最終更新:2016-03-13 10:38:48